ビュレット類
- ■原理・構造
- その形状は種々あるが、主として容量分析に用いられるビュレット類の目盛はすべて出用として定められており、その全量は25ml、50mlのものが一般に多く使用されている。
※ ピペットと同様にして内壁の清浄、ことに水滴が付着しないように注意する。
※ すり合わせコックのものは少量のワセリンを塗って良くまわし、かつ、ワセリンが穴の部分にはみ出さぬようにぬること。ただしこのビュレットは主として硝酸銀、沃素、過マンガン酸カリウムなどのように容易に有機物質に作用する溶液を扱うときに必要なものであるから、その際にはワセリンを用いないで使用しなければならない。
※ コックのないビュレットは、ゴム管とガラス先管と、ピンチコックを用いて使用するのであるが普通のピンチコックは開閉の小さい調節がしにくいから注意を要する。また小さい気泡がゴム管内にかくれていて、後で浮かんでくると大きな誤差を生ずるからまずコックを解放して水を勢いよく出し、ゴム 部を全体にわたって指で押さえて見て気泡の潜在を除くようにする。また硝酸銀、過マンガン酸カリなどのときはゴム管付きのものを使用してはならない。
※ ガラス先管は精度に影響するから、破損しないよう十分注意し、また使用にあたって、最初に全開における排水時間を測っておくとよい。
※ 先管に少量でも滴を生ずることは滴定の際に最後の中和点において甚だ気になるものであるから、なるたけ滴のたまらない形の先管を使い最後の1滴の数分の1はガラス棒の水のついていない部分で受け取って被滴定液に加えるとよい。
※ ゴム部は必要以上に長くしないこと。水圧の差によってゴム管の容積が変化するからである。また、コックの位置、挟み方、先端の傾きなどが変わるとやはりゴム部の容積が変わるから注意を要する。
※ ビュレットの使用に際しては、必ずしも乾燥する必要のないことは、ピペットの場合と同様である。
そして通常はゼロの目盛より数ml余分につぎこみコックを開いて勢いよく出して、コック部の気泡を除いて、ちょうどゼロの目盛にメニスカスを合わせてから滴定を始める。